南仏旅行の記録 マルセイユからニースへ


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 出発の日、12/20、テュニスはあいにくの雨。けど飛行機に乗って雲の上へ出ると、清々しい朝の光。いいよねぇ。

雨天
    太陽が飛行機のうしろから追いかけてくるよ
    ああ  雲の雪原はどこまでもつづく

 フランス語で訪れる初めてのフランス(いや、前回は単なるトランジットだったから空港から一歩も出てないけど)。リコンファームをし、バスに乗って町中へ。これが結構遠くて30分はバスに揺られた。

 マルセイユの駅・サン・シャルルに来たのはいいけれど、私はここからニースへ行ってしまいたい! それには電車に乗らなければならない。電車に乗るためには切符を買わねばならないが、どこでどうやって買うのかが分からない。ヨーロッパの駅は難しい・・・というのは、乗り換えで通り過ぎるだけのヨーロッパで何度か思ったことだ。アラブの駅の、なんと簡単なことか!
 まずは自動販売機発見。見るとコインとカードの挿入口しかない。ということは、小銭を作れということか? まだ金銭感覚が分からない私、とにかくお金を崩そうと思った。それで、まずその機械を操作して(分からない単語は無視!)値段を割り出す。で、近くの売店などで買い物をし、なんとか200FFほどの小銭を作った。
 機械に向かって操作を繰り返す。さーて、お金を入れるぞ!となったとき、入らない・・! なんで? どうして? さっき人に訊いたとき、「札は駄目だけど・・」って言っただけだったじゃないか! で、また後ろに並んでた人に訊くと「カードじゃないなら、向こうの、ほら、札って書いてあるところへ行かなくちゃ」と言われた。「billet」ってちゃんと書いてある。でもでも、何のことなのか分からなかったんだもん。だってさ、いきなり標識に「札」ってあっても、両替のこと?とか考えちゃうじゃないか。

 で、その標識の通りに進むと・・・・あれあれあれ。駅を出ちゃいましたよー? 駅を出ると、そこにあるのはメトロに乗るための地下への階段と、バスターミナルがあるだけ。私どっかで見落としした? けど、こんな近い距離・・・。
 すぐそこのインフォに入って訊くと、表を出て下に降りろだって。・・って、メトロ? しかもさ、人が必死にフランス語使ってるのに「アナタ、英語喋れる?」はないでしょ?!

 で、地下に降りたら、そこにあっさり窓口があった。なんなのー?! で、そこでも「英語喋れるか?」だもん。こっちは必死なのにさぁ。どうせ、へたっぴいですよー。けど、私に英語喋らせても仕方ないと思うけど(喋ってません、念のため)。それにさ、窓口のおっちゃん、仏式発音で英語を言うとさ「アンドレッド」って、最初何のことかわかんなかったよ。hundred、hを発音しないもんだから。それなら「ソン cent」って言われた方が分かりやすいやん。
 けどね、26歳未満割引だそうで、窓口で買った方が安かった。ハハ。

 こういうことをするだけに、実に一時間近く費やしてしまった。何をやってるんだー?

 葉書を買って、出発まで車内で書いてみる。2等車に乗ったのに、むちゃくちゃ綺麗でびっくりした。オランダとかで乗ったときも綺麗だったような気もするけど。

 席の形はいろいろだったけど、単に座席が並んでるだけのものより、このバージョンが一番リッチに感じるよねぇ。ちなみに首からぶら下げてるのは、バックパックの鍵です(^^;;
 この写真は、もちろんその辺の人に頼んで撮ってもらったが、彼もネイティブじゃなかった。

 マルセイユからニースへ。途中、トゥーロン・カンヌなどを通り過ぎていく。途中、どこかの駅で、ホームに車が入ってるのを見た。いいのか、フランス。ホームって言ったら電車に乗る人が歩くところで、車は乗らないんじゃ・・・。
 ニースに近づき、私はチップの要らないトイレに入ろうと、動くことにした。さっきから誰も動いたように見えなかったので、トイレは空の筈だ。
 日本だと、赤と青で空きか使用中かを識別できるようになってるけど、ここは白とオレンジだった。けど文字は書いてないので、どっちがどっちだか分からない。で、一応ノックしてみた。返事はない。ので、取っ手をひねって回してみた。・・・反応しない。
 どうしてぇ?? 再び回す。駄目。後ろのもう一個のトイレも同じだった。うむ、もしかして使用中なのか? フランスの人は反応しないのか? しばし待つ。けど、向こうの方から、どうしたんだろうという好奇の視線が・・・。ってことはやっぱり開いてるのよね。ど、どうしよう。かちゃかちゃ、かちゃかちゃ。
 そのうちに、取っ手の下の妙な空間に気が付いた。なんか穴が空いてる。おや? そこへ指を突っ込んでみた。あ、なんか・・。
 かち。・・・・・・扉は開いた。
 つまり、取っ手を回した後、取っ手の下にあるボタンを押さないと開かないのだった。しかしね、そのボタンってやつは、取っ手の陰になっているうえ、そのボタンが壊れて取れてたので、わかんなかったのだ。もう! 

 そして、ニース到着! ああ、ニース。宿が先決ねーとばかり、インフォを探しに入る。これかなと思ったところで、日本人に遭遇した。初の日本人♪ だって、私がマルセイユで困ってるとき、誰にも会わなかったんですものーー! なんかうれしい。
 彼女たちはニースに留学してる人たちで、ちょこっとおいしい情報を仕入れ、教えてもらったインフォへ向かった。

 そこのインフォは初めて私に向かって「英語喋れる?」と言わなかったので、全部フランス語で通すことができた。彼女に色々調べてもらったにも拘わらず、やっぱしユースに行くことに決定。山の中のユースに行くのに、そのまま行くのはつまらなかったのでちょっと歩き・・・そこで、「お金追加しなきゃ」。運良く電車待ちの日本人を発見して、カードの使えるところを教えてもらう。

 ニースの駅舎。向かって右手にインフォがある。
 この中のパン屋さんはなかなかいいお味だった。バス停からこれを撮る。

 さて、教えてもらった番号のバスが来たので乗った。前の人のするようにしようと思っていたのに、前の人が何をしたのか分からなかった・・。で、とりあえず席に着こうとしたら、目の前に怪しげな機械が! どう見てもなんかをチェックするためにあるのだが、どうするのかさっぱり分からない。
 それで、席に着いた後、目の前に座ってた子連れのお母様に「すみません、どうやって払ったらいいんですか」と訊いてみた。すると、おばさまはちょっとビックリして、けどちゃんと「運転手に言ってカードをもらいなさい。それからそのカードをその機械に通すのよ」。だもんで、運転手のところへ行って地図を広げ、ここまで行きたいんだと説明。「8、50」と言われ、一瞬訳が分からない。そう、今日ずーっとフランで通してきたので、いきなりサンチーム(フランの補助単位)を言われても反応できなかったのだ。とりあえず10FF払ったらお釣りが来たから「あ、そうか」と納得。
 カードをもらって機械に差し込むと、ぴっぴっと反応してカードがはじき出され、見ると日付と時間が印刷してあった。読んでみると、59分以内で同じ路線でなければ乗り継ぎが可能ということだった。
 しかし、バスはやたらと長く進み、地図で見た感覚よりかなり乗ったので、不安になってきた。おばさま方は降りてしまい、後におじさんが一人乗ってきた。不安って表情を丸出しにしておじさんに声を掛けると、それだけでおじさん理解して「大丈夫、私も同じところで降りるから」。
 おじさんと一緒にバスを降り、方向が分からずに訊くと、おじさんはまた「大丈夫、私も途中まで一緒だから」。あああ、ご親切痛み入りますぅぅ。

 このようにして、分かりにくいユースまで無事到着。ユースでお金を払ったとき、7時までに申し込めば夕食が食べられるとの項目を見る。せっかくだから食べることにした。
 ドミトリーの部屋は私一人で、6人部屋だから寒いったらありゃしない。セントラルヒーティングもイマイチだ。やっぱりご飯食べて暖まらなきゃね。

 食事はフランス人家族と一緒だった。お母さんがそれぞれのお皿によそってくれる。お父さんがお水を入れてくれる。なんだかホームステイで家庭にお邪魔したようだわ。でも、喋る単語といえば、「すみません」「ありがとう」「それ取ってください」「結構です」くらいなんだよねぇ。
 ご飯は、前菜がトマトとハム・サラダ菜のサラダ。マリネは久しぶり。次にバターライスとタコのトマト煮込みが来て、デザートにチーズとフルーツ。うーん、期待してなかったけど、結構イケるお味。タコなんて久しぶりだし。おいしー♪と思いながら食してたら、開いたままの扉の向こうを、日本人が通っていくのが見えた。こっちを見て「あ」って言ったから日本人だろう。私は一人で「食後の楽しみができた」と思っていた。

 お食事を終え、一応自分の部屋も片づいた私は、さっきの日本人を捜すことにした。しかし、部屋を出たらすぐ隣の部屋の扉が半開きになっててすぐそこにいることが判明した。
 訊けば、休学してあちこち旅行中の大学生で、特に予定は立っておらず、ニースにしばらくいるつもりだとのこと。というわけで、私は初日にして予定通り旅の連れをgetしたのだった。

 その日は彼と話し込んで終わる。部屋が寒い・・・

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